移転先は、なるべく新しいオフィスビルがいいと思う方は多いと思います。
そのようなご要望で賃貸事務所を探すときは、築年数の浅いものや新築の物件を多く目にすることになります。
中にはまだ未完成の物件なども…
そう未完成。
えっ、未完成の賃貸事務所でも契約できるの?
と、思われた方もいらっしゃると思いますが、まだ完成していない物件でも契約することは何の問題もありません。
時をさかのぼることバブル時代、事務所物件の空室が少なく、オフィスを探す企業が我先にと空室を争っていた頃は、未完成のオフィスビルを契約することは頻繁だったようです。
バブル期と比べるのはどうかと思いますが、ここ数年の空室率は減少傾向にありますので、今後は似たような状況になることも想定できます。
そこで今回は、実際に室内を確認できない未完成の賃貸事務所を借りるときに注意する点をご紹介したいと思います。
1. 住所がない!?
ないというよりは、まだ決まっていないといった方が正しいかもしれません。
このように、完成していないビルで住所が決まっていない場合、募集チラシでは所在地を地番で表わします。
地番は住居表示とは異なるため、名刺や封筒、案内状などの印刷物の住所を地番にしないように注意してください。
用語
- 地番:一筆の土地ごとに登記所がつける番号のことで、一定の区域ごとに土地の位置が分りやすいように定められています。
- 住居表示:建物を街区符号と住居番号で表わすもので、一般的に住所として使用されるのがこちらです。建物につけられる番号ですから、建物のない土地には関係ありません。
ちなみに、住居表示の最後に表わされる「号」は何で決まるのかご存知ですか。
答えは、エントランス(玄関)の位置。
例えば、
図1のように、建物のどの位置にエントランスを設置するかによって、同じ建物でも番号がかわります。
また、面した通りの大きさやエントランスの大きさに関係なく、「エントランスの位置」で「号」は決まります。
2. 図面をしっかり確認!
実際に室内を見て確認できないことを図面で確認しましょう。
- 天井の高さ:寸法を知ることで、感じをつかめます。
- 梁の大きさ:天井高に気をとられすぎて抜けてしまいがちなのが、この梁の大きさです。壁沿いにキャビネットを置く場合などには入らなくなる可能性がありますので注意。
- OAフロア:床の仕様がOA対応かどうか
- セキュリティー:機械警備の仕組や防犯カメラの有無など
- 色:タイルカーペットや壁紙の色など、竣工前だと選べる物件もあるので要チェックです。
3. 場所や位置を確認する!
- 空調:吹き出し口の位置と操作パネルの確認をしましょう。吹出し口の位置は、レイアウトを組む上で重要になります。また、操作パネルは、すべての空調機を一括して操作するものや個別にできるものがあります。事務所の使用方法によりどちらが便利か分かれますが、確認しておくのがベストでしょう。
- 照明:位置とスイッチの確認。空調と同じ理由です。
おまけ. その他に確認しておくべきこと
以下は完成している物件でも同じですが、未完成でも確認できる重要な項目なので念のため挙げておきます。
- 電気容量:実際に使う機器と照らし合せて確認しておきましょう。あとで足りなかったということがないようにしてください。
- 電話回線:電話の回線数は建物ごとに違います。またフロアごとに振り分けられる数に限りがあることも多いので注意してください。
- 夜間、旧祝日の出入り:建物内への出入りに時間制限がないかどうかを確認しておきましよう。
以上、未完成物件の注意点でした。
まだ建っていない事務所を借りるのは、すでに完成している物件よりもリスクが高いとおもわれますので、今回の3つのポイントを参考にチェックしてみてください。
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