山手線の新駅誕生でどうなる賃料相場

山手線の新駅誕生でどうなる賃料相場

2020年のオリンピックイヤーに暫定開業を目指している山手線の新駅。国際戦略総合特区に指定された品川駅~田町駅間の再開発の目玉になる駅で周辺も大きく変化します。

さて、この新駅周辺の賃料相場は、どのように変化しているのでしょうか。発表されてから今現在、また今後どのようになるか予想してみます。

 

新駅開業の理由

まずは、新駅を開業する理由をおさらいしましょう。山手線では最後に設置された「西日暮里駅」からおよそ40年ぶりにできる新しい駅となります。

  1. 高層マンションの増加で人口が増加
    特に港南エリアでは、近年高層マンションの建築ラッシュで人口が大幅に増加したにも関わらず、田町駅、品川駅は遠くて不便ということで、新駅設置の声が多くなってきた為。
  2. 国際戦略総合特区指定
    冒頭にもかきましたが、国や東京都では品川駅~田町駅周辺を国際戦略総合特区とし、外資系企業を500社以上誘致することを目標に再開発を進めています。新駅はその再開発の中で大きな目玉となります。(国際戦略総合特区サイト – 東京都
  3. 東北縦貫線の開通
    すでに開通して久しいですが、新駅発表当時はまだ開通していませんでした。東海道線と宇都宮線、高崎線、常磐線などが直通運転をすることになり、現在の田町~品川間にある車両基地が必要なくなったため、その跡地に新駅を設置することになりました。
  4. 港南側の活性
    現在の港南側は、高輪側にくらべるとやや閑散としているイメージがあり、再開発することで、活性化させる狙いがあります。

 

今は不人気エリア

山手線の新駅ができるのは、現在の品川駅と田町駅のちょうど中間くらいに位置します。都営浅草線の「泉岳寺」駅の近くにあたります。

この周辺は昔からの高級住宅地や高層マンション等が多く建ち、オフィス需要としては、人気があるとはいえないエリアです。やはりJR線の駅が遠いということが影響しているとみられます。これを踏まえて、賃貸事務所の賃料相場はどうなのかみてみましょう。

賃料相場、新駅誕生の影響

2014年の発表時、一次的に坪単価1万円台後半まで上昇しましたが、昨年から徐々に下がっている印象。

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新駅ができるという期待感から相場は上昇したものの、やはりまだ先で現在はまだ早いということ、また物件数が少ないということで下がってきているとみられます。

 

2年前頃が狙い目

新駅は4年後に完成予定です。現在の相場が下がっているので、今現在も入居するには最適かもしれませんが、まだ早いという場合は、完成の2年前頃までが狙い目です。

それ以降の相場は、新築ビルの完成や外資企業の参入などによって、大きく上昇するとみられます。国や東京都あげての大規模な開発なので、どれくらいまで上がるかは想像し難いのですが、今より下がるということはないでしょう。坪単価2万円台近くまでいくのではないでしょうか。

 

新駅の名称は

最後に、気になる新駅の名称ですが、まだ決定していないようです。

今のところ有力候補としては「高輪駅」や「新品川駅」の名称があがっています。発表当時に挙がっていた「芝浜駅」は、もうどこにも出ていませんね。落語の演目の一つで趣があること、外国人が発音しやすいということで個人的に推していたのですが残念です。

このまま「高輪駅」で落ち着きそうですが、「とうきょうサウスゲート」のような平仮名表記の名称が候補になっていない点は安心しました。